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かあちゃん [重松 清の本]

 

かあちゃん

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メかあちゃんーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/05/29
  • メディア: 単行本

最近ようやく夜まとまった時間がとれるようになってきた。

で、久しぶりに(本当にかなり久しぶりに!)更新できた。

 

読んだのは重松清「かあちゃん」である。

内容はちょっと想像していたのとは違った。

長編小説ではあるが、登場人物をひとりずつ章ごとにとりあげているため、短編が最初と最後に

つながるという形である。

私はてっきり「東京タワー~」のような小説を想像していたので、

あまり「かあちゃん」という題名にそぐわない内容にちょっと拍子抜けしてしまった。

感動するものを期待していたが、そういう作品ではなく、

また「かあちゃん」と題しておきながら、かあちゃんは脇役にすぎず、本軸はちょっと別の

ところにあるような内容であった。

 

設定に?と思う所があったので、最後まで納得がいかず読後もやもやしたものが残った。

なので作品の善しあしは置いといて、重松氏の作品を読んでいると感じることを書こうと思う。


キーワードは自殺、いじめ、病、死であることが多い。

以下は私なりの見解だが、

重松氏はかつて親友を自殺で失っている。(これは以前記事に書いた)

彼を救ってやれなかった激しい後悔が彼の背負っているものであり、執筆意欲につながってるような

気がしてならない。

重松氏には勿論責任はないと思うのだが、その経験が数々の作品に表れているといえる。

 

そしていじめの問題。

これは重松氏が子どもの頃、「吃音」で悩んでいたことと関係があるのではないだろうか。

「きよしこ」ではズバリ自伝的小説ともいえる内容で、氏の子ども時代が透けて見えてくる。

重松氏は吃音でコンプレックスを抱いていた。しかしそのことにより、弱者の気持ちがわかる

ひとになれたのだと思う。

私が重松清の小説が好きなのは、彼が弱者に対してとても優しい目線で描いているから

である。

重松氏は教育学部卒ということもあり教師が出てくる話も多い。

この「かあちゃん」でもかなり個性的な教師たちが登場する。

印象深いのは福田教諭の「負けを知らない教師が生徒にとっていい教師なのか」というセリフである。

負けたことのない人が教師になったら生徒に逃げ場はない。負けた経験をもつ教師も時には

必要なのではないか、ということ。まったく同感だ。

上から目線では子どもの心には届かない。

「五体不満足」の著者乙武さんが教師になったが、ある雑誌できっかけを話しておられた。

「学校では「明るく元気よく。」って教える。でもそれじゃ暗い子はどうするの?

自分はだめだと感じ居場所がなくなってしまう。違和感を覚えた。暗くてもいいじゃないか。」

確かこのような内容であった。

明るくなくたってキミがダメなんじゃない。

みんな違ってみんないいんだよ。

そんなメッセージを子どもたちに送れる教師として、乙武さんはまさに適任だ。

話がそれたが、重松氏も作家でなかったら教師が向いているような気がする。

大事なのは生徒に気付いてあげられるかどうかということ。

負けたことがなければ気付かない、負けたことで見えてくるものがある・・・

 

こんなことを読後感じるってことはやはり「かあちゃん」は題名とはかけ離れた内容であると

いうことかしら・・・

とにかく異色作であった。


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コメント 3

Sanchai

こんにちは。私も『かあちゃん』には違和感を覚え、購入して読んだ後すぐにブックオフで売ってしまいました。こんなことをやった重松作品は珍しいです。タイトルと内容があまり合ってない印象は確かに受けます。
by Sanchai (2010-01-21 09:27) 

ノリ

Sanchaiさん、育児でブログをお休みしてる間に、たくさん重松作品を読んでらっしゃいますね。
私がまだ未読のものも多いので読後ゆっくり読ませていただくのを楽しみにしています。
「かあちゃん」はちょっと異色作でしたね。Sanchaiさんも違和感を覚えられたのですね。作品自体は悪くはなかったのですが・・・。
by ノリ (2010-01-21 17:08) 

ノリ

むねきちさん、ナイスありがとうございます。
by ノリ (2010-01-21 17:09) 

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